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距骨骨軟骨損傷に対する観血的治療法の種類とその使い分けについて

No.5173 (2023年06月17日発行) P.59

谷口 晃 (奈良県立医科大学整形外科准教授)

中佐智幸 (広島大学病院整形外科講師)

登録日: 2023-06-20

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  • 距骨骨軟骨損傷の患者は若く活動性も高いため,治療法の選択や後療法の計画に迷うことがあります。術後経過観察の要点なども含めてお示し下さい。
    広島大学・中佐智幸先生にご解説をお願いします。

    【質問者】谷口 晃 奈良県立医科大学整形外科准教授


    【回答】

    【関節軟骨・軟骨下骨の状態により骨軟骨片の温存・切除が選択される】

    距骨骨軟骨損傷は,関節軟骨・軟骨下骨の障害であり,手術においても関節軟骨・軟骨下骨の状態から術式を選択します。

    手術療法としては,骨軟骨片を温存する方法(逆行性ドリリング,骨軟骨片固定術)と切除する方法(骨髄刺激法,骨軟骨柱移植術)に分けられます。骨軟骨片の温存・切除の選択は,骨軟骨片の大きさや関節軟骨の状態で判断します。足関節外側靱帯損傷による慢性足関節不安定症を合併している場合は,靱帯修復術も併せて行います。

    (1)逆行性ドリリング

    関節鏡視にて関節軟骨がほぼ正常で,骨軟骨片が安定している症例が適応となります。Kirschner-wire等を刺入し,母床を貫いて骨軟骨片までドリリングを行うことで境界部を含めた軟骨下骨のリモデリングが期待できます。

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