【質問者】安井廣迪 安井医院院長
【漢方薬は小児発達障害の問題行動を軽減させるのに適している】
小児発達障害に対する漢方の意義についてのご質問に答える形で,以下に解説してみたいと思います。
発達障害者支援法による本障害には,自閉スペクトラム症(ASD),注意欠如・多動症(ADHD),学習障害,その他(吃音,トウーレット症候群,選択制緘黙など)が含まれ,脳機能の障害であってその症状が通常,低年齢において発現するものとされています1)。多くの人とは異なる行動パターンをとるために生ずる「生きにくさ」から,二次的に生活上の問題行動が現れ,さらに生きにくくなります。そのため,幼児期からの早期支援が重要とされています。少子化にもかかわらずASDとADHDは近年激増し2),大きな社会問題となっており,生きにくさを軽減するために行政,教育,医療など様々な支援が実施されています。薬物療法もそのひとつですが,一般的な向精神薬は小児,特に乳幼児には使用しにくいのが現状です。
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