著: | 喜多敏明(辻仲病院柏の葉 漢方未病治療センター センター長) |
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判型: | A5判 |
頁数: | 372頁 |
装丁: | 2色刷 |
発行日: | 2023年12月31日 |
ISBN: | 978-4-7849-4263-3 |
版数: | 第2版 |
付録: | 無料の電子版が付属(巻末のシリアルコードを登録すると、本書の全ページを閲覧できます) |
step 1
1-1 エビデンス重視の処方解説
1-2 気・血・水の働き
1-3 気・血・水の不足病態
1-4 寒の病態と治療
step 2
2-1 脳血管障害
2-2 変形性膝関節症・高齢者の腰下肢痛
2-3 機能性ディスペプシア・便秘・生活習慣病
2-4 急性上気道炎・気管支喘息・慢性の咳と痰・アレルギー性鼻炎
2-5 尋常性痤瘡,湿疹・皮膚炎
step 3
3-1 瘀血の症候に対する漢方治療
3-2 水滞の症候に対する漢方治療
3-3 気逆の症候に対する漢方治療
3-4 気鬱の症候に対する漢方治療
3-5 ストレス病態に対する漢方治療
step 4
4-1 初診時のヒント
4-2 再診後のヒント
4-3 養生支援のヒント
付録:Dr.喜多の「プライマリケア漢方」動画講座
本書の前身である『新装版プライマリケア漢方』が発行されてから約8年が経過した。その間に,プライマリケア領域における漢方の果たす役割はさらに大きくなっており,漢方医学を本格的に学んで日常の診療に活かしたいと考える医療者も増えてきている。
そのような時代のニーズに応えてきた本書は,漢方医学の診断・治療プロセスを初級レベル(step1)から中級レベル(step2),上級レベル(step3)へと無理なく理解できる構成になっており,付録の講演動画(約18時間)を視聴することでその学習がいっそう容易になるように工夫されている。
しかし,臨床の現場で実際に漢方薬を処方するとなると,さらに実践的なスキルが必要となる。そこで今回の改訂版では,漢方臨床の実践(初診時と再診後)において直面する様々な疑問を解決するためのヒント集と,漢方治療の効果を最大限に発揮するために必要な養生支援のヒント集をstep4として追加することにした。
本書を読みながら漢方薬を処方する経験を積み重ねるだけで,プライマリケア漢方の実力を継続的に伸ばしていくことができるようになっている。
漢方医学は,プライマリケアで遭遇するありふれた疾患の治療において西洋医学の足りないところを補完するだけでなく,検査をしても異常がない不健康な状態(未病)を効果的に治療することで,疾患を予防することにも貢献できる。また,心身一如の視点で病人全体をとらえる漢方医学のアプローチは,プライマリケアで重視される全人的医療の実践
においても有用な手段となる。
そのような観点から,プライマリケアの臨床現場で本書を役立てて頂ければ幸いである。
2023年11月 喜多 敏明