厚生労働省は8月30日、2021年度の「介護保険事業状況報告(年報)」を公表した。それによると21年度の介護給付費は10兆4317億円となり、前年度比で2006億円(2.0%)増加。利用者負担を含む費用額は11兆2838億円(前年度比2296億円増、2.1%増)となった。
21年度末現在の第1号被保険者数は前年度比10万人(0.3%)増の3589万人。このうち要介護(要支援)認定者数は677万人(前年度比7.7万人増、1.2%増)だった。認定を受けた第1号被保険者の88.9%は75歳以上の後期高齢者。要介護(要支援)状態区分別の構成比では、軽度(要支援1〜要介護2)の認定者が全体の約65.5%を占める。
第1号被保険者に占める認定者の割合の全国平均は18.9%となり、前年度から0.2ポイント上昇した。地域別の認定割合は、大阪府、和歌山県、京都府などで高く、茨城県、栃木県、山梨県などで低い。
1カ月平均のサービス受給者数(第2号被保険者含む)は589万人。前年度比で14万人(2.4%)の増加と、大きく伸長した。サービス別の内訳は、①居宅サービス405万人(構成比68.7%)、②地域密着型サービス89万人(15.1%)、③施設サービス96万人(16.3%)。施設サービスは19年度以降、ほぼ横ばいで推移しているが、居宅サービスは右肩上がりの増加が続いている。
第1号被保険者1人あたり給付費の全国平均は291千円となり、前年度比で5千円(1.7%)増えた(高額介護サービス費、高額医療合算介護サービス費、特定入所者介護サービス費を含む)。サービス別の内訳は、①居宅サービス138千円、②地域密着型サービス47千円、③施設サービス89千円。