動悸の原因が不整脈発作によるものかどうかを12誘導心電図で特定する。不整脈発作によるものであった場合には,①不安定で緊急治療が必要か,②安定しているが準緊急治療が必要か,③緊急性はまったくなく,循環器内科外来での待機的な検査でよいのか,これらを特定して判断することが必要である。
発症様式:突然発症か,徐々に発症したのかを聴取する。
持続時間:一定時間継続するか,一瞬のものなのかを確認する。
その他:現在も症状があるのか否か,また,意識状態の悪化,失神,持続する胸痛,呼吸困難などの症状について聴取する。
一般的に頻脈の定義は「心拍数100回/分以上」とされている。心電図モニターを装着して,血圧低下(ショック)やSpO2低下がないかチェックする。
心不全(呼吸困難),ショック(意識状態の変化,皮膚の湿潤,冷汗など),不安定なサイン(失神など)を確認する。
症候が頻拍によるものである場合には心電図モニターを装着し,酸素投与を開始,静脈路確保を行い,急変に備える。必要があれば鎮静薬を投与して,迅速な同期電気ショック(カルディオバージョン)を行う(一般的に不安定な頻脈は「心拍数150回/分以上」のことが多い)。同時に,循環器医にコンサルトする。
モニター心電図を装着し,必要に応じて酸素投与と静脈路確保を行う。12誘導心電図を記録して,循環器医へのコンサルトを考慮する。
心電図のQRSの幅,RR間隔の整/不整などを判読して,必要に応じて迷走神経刺激(バルサルバ法など)や薬剤投与を検討する。アミオダロン,プロカインアミド,ニフェカラント,硫酸マグネシウム,ATP製剤,β遮断薬,Ca拮抗薬,ジギタリス製剤などが用いられる。
心室頻拍(VT)でバイタルサインが不安定な場合は,無脈性となり心停止に移行する可能性があるので,特に注意を要する。
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