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喧嘩では保険扱いにできないの?[病院トラブル─事務方の解決法(28)]

No.5201 (2023年12月30日発行) P.58

大江和郎 (元東京女子医科大学附属成人医学センター事務長)

登録日: 2023-12-27

最終更新日: 2023-12-22

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医療機関には泥酔や喧嘩で搬送されてくる患者もいます。これらの理由で受診した患者に対して,保険扱いとせず自費診療で治療を行っている保険医療機関もあります。患者から「保険扱いで」と言われても保険診療を拒否しているところも……。

 医 師  :どうなさいましたか?

 患 者  :友人と居酒屋で飲んでいたら,口論となり互いに譲らず喧嘩となってしまい,ケガをしてしまいました。

 医 師  :そうですか。では喧嘩によるケガでは保険は使えませんので自費診療となりますが,よろしいですか?

 患 者  :えっ! なぜですか? 喧嘩のケガは保険扱いにできないのですか?

正しい対応はどちら?

①喧嘩によるケガの場合,第三者行為による負傷ということで保険での診療はできないことになっています。したがって,全額自費となります。

②確認したところ,保険でも診療はできますが医療機関から保険者に通知しなければならないことになっています。〇〇様のほうへは,後日保険者から今回の治療について問い合わせがあると思います。

事務長の見解

本事例は,保険医療機関及び保険医療養担当規則(以下,療養担当規則)第10条による治療にあたりますが,この第10条の解釈を間違えて対応している医療機関があります。闘争や泥酔による治療は第三者行為によるもので加害者に請求するものと解釈され,自費診療としているところもあります。②のように正しい解釈に基づいた対応が必要です。

詳しく解説すると……

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