厚労省は7日、2017年度末までに廃止が決まっていた介護療養病床について「現在担っている機能は今後も確保していくことが必要」との方針を介護給付費分科会(田中滋座長)に示した。年内に実態調査を行った上で、今後の具体的な方針を検討する。
介護療養病床は2011年度までに老人保健施設(老健)等に転換することとされていたが、転換が進まない実態を踏まえ、2011年に成立した改正介護保険法により廃止期限が6年間延長。今年2月の衆院厚生労働委員会で田村憲久厚労相は「介護療養病床という名前か、(制度が)今のままなのかは別だが、必要なものに関しては何らかの制度の中で残していく」と発言していた。
厚労省は2015年度介護報酬改定に向けた論点として、慢性疾患や認知症の高齢者が増加する中、介護療養病床が担っているターミナルケアや看取りといった機能は引き続き確保していくことが必要との方針を提示。武久洋三委員(日慢協)が「医療・介護でターミナルを診られる施設が地域には必要」と述べるなど、複数の委員が賛意を示した。