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■NEWS 社会保障審議会が24年度介護報酬改定で答申―4月、6月の2段階施行

No.5207 (2024年02月10日発行) P.70

登録日: 2024-01-31

最終更新日: 2024-01-31

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社会保障審議会は122日、2024年度の介護報酬改定について武見敬三厚労相に答申した。施行時期は、訪問看護、訪問・通所リハビリテーション、居宅療養管理指導の4サービスと処遇改善関連加算の一本化及び加算率の引き上げが61日、それ以外は従来通り41日。

主な改定項目をみると、介護職員の処遇改善では現行の3加算の算定要件や加算率を組み合わせ、4段階評価の「介護職員等処遇改善加算」を新設する。加算率は現行の3加算の加算率にベア対応の2.1%の引き上げ分を上乗せした値に設定する。一本化後の加算では職種に注目した配分ルールは設けず、事業所内での柔軟な配分を認める。

医療との連携強化では、介護保険施設に3年間の経過措置を設けた上で、入所者の急変時の診療に応じられる体制の確保など、一定の要件を満たす医療機関を協力医療機関とすることを義務づける。特養の「配置医師緊急時対応加算」は、日中の勤務時間外に駆けつけ対応した場合の区分(325単位)を新設。通所・訪問リハビリでは事業所の医師等が医療機関の退院前カンファランスに参加した場合の「退院時共同指導加算」(600単位)を新設するとともに、入院中の医療機関が作成したリハビリ計画書等の入手と内容の把握を義務づける。

アウトカム評価を充実させる観点から、介護保険施設等について①「ADL維持等加算(Ⅱ)」のADL利得の要件を3以上に引き上げ、②「排せつ支援加算」の評価項目に尿道カテーテルの抜去を追加、③「褥瘡マネジメント加算」(介護医療院は「褥瘡対策指導管理」)の評価項目に施設入所時等に認めた褥瘡の治癒を追加―などの見直しも行う。

■通所リハの事業所規模別報酬は3段階から2段階に再編

通所リハビリは大規模であっても、リハビリテーションマネジメントの実施体制が充実した事業所がある点を考慮し、大規模事業所減算を見直す。具体的には、現行の大規模型ⅠとⅡを大規模型に一本化。その際、大規模型に該当する事業所であっても、①「リハビリテーションマネジメント加算」の算定率が利用者全体の8割超、②リハビリ専門職の配置が10対1以上―をすべて満たす場合は、通常規模型と同等の評価とする。

介護保険施設等における認知症の行動・心理症状の予防、早期対応の推進の評価として「認知症チームケア推進加算(Ⅰ)、(Ⅱ)」(150単位、120単位)も新設する。

■訪問介護の基本報酬が2%程度引き下げ

今回の改定率は全体で1.59%の引き上げ。このうち0.98%を介護職員の処遇改善に充てることになっている。

しかし訪問介護系の基本報酬は2%程度引き下げられることになった。たとえば身体介護では「20分未満」が167単位から163単位へ(2.4%減)、生活援助では「20分以上45分未満」が183単位から179単位へ(2.2%減)など、全般的に引き下げられている。

この点について日本介護福祉士会の及川ゆりこ会長が強い懸念を表明。これに対し厚生労働省からは「訪問介護は人件費の割合が高く、だからこそ処遇改善を最優先で整理した。各種加算の取得促進も図っていくつもり」などの説明がなされた。

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