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災害時の感染症対策で気をつけることは?

No.5215 (2024年04月06日発行) P.52

藤倉裕之 (兵庫県立尼崎総合医療センター感染症内科医長)

海老澤 馨 (神戸大学病院感染症内科)

登録日: 2024-04-05

最終更新日: 2024-04-02

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  • 災害時には, 感染症の拡大リスクが高まることが知られています。感染症には, 多様な災害により発生しうるものや, 避難所での集団生活により発生しうるものがあります。また, その発生時期, 地域的特性, 免疫状態等で,考慮すべき感染症が異なります。避難所やボランティアが気をつけるべき感染症, ワクチンにより予防可能な感染症についてご教示下さい。
    神戸大学病院・海老澤 馨先生にご解説をお願いします。

    【質問者】藤倉裕之 兵庫県立尼崎総合医療センター感染症内科医長


    【回答】

    【手洗い・マスクといった基本的な感染対策と,ワクチンなどの事前の対策が必要である】

    自然災害においては必ずしも感染症のアウトブレイクが増加するわけではありません1)。一方で,避難所などの集団生活では,基本的な感染対策を行い,感染症のアウトブレイクに備える必要があります。特に気をつけるべき感染症はインフルエンザや新型コロナウイルス感染症(COVID-19)といった気道感染症,ノロウイルスや黄色ブドウ球菌による食中毒などの消化管感染症,そして破傷風です。

    感染対策の具体的なポイントは,東日本大震災を契機に日本感染症学会が作成した「避難所における感染対策」2)が参考になります。被災地であっても基本的な感染対策は標準予防策と,感染者の早期発見・早期治療です。飛沫,接触感染対策としてマスクの着用や手洗いが重要なことは言うまでもありません。また,環境感染学会は災害時感染制御支援チーム(disaster infection control team:DICT)を組織し,先日の能登半島地震でも被災地支援にあたりました。被災地のもともとの対策を尊重しつつ,専門家が助言と補助を行う形が,少しずつ構築されています。

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