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訪問診療の増患対策[クリニック経営戦略「お悩み相談室」(第3回)]

No.5221 (2024年05月18日発行) P.58

監修: 小松大介 (株式会社メディヴァ・コンサルティング事業部長)

執筆: 高田哲也 (株式会社メディヴァ・コンサルティング事業部)

登録日: 2024-05-15

最終更新日: 2024-05-14

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質問
訪問診療を始めてみましたが,なかなか患者数が増えません。訪問診療の患者さんをどう増やせばよいでしょうか。

回答
訪問診療は外来から移行する患者さんよりも,医療機関やケアマネジャーからの紹介が多いのが実態です。医療機関の連携室やケアマネジャーに貴院の特徴を知ってもらい,顔の見える関係を築いていくことが大切です。

1. 訪問診療の依頼元

訪問診療の対象となるのは,ひとりでの外来通院が難しい人です。今まで外来で診ていた患者さんが訪問診療に移行する場合もありますが,訪問診療の対象となるのは外来の患者さんだけではありません。実は,外来から訪問診療へ移行する患者数はそれほど多くなく,訪問診療を開始する患者さんの依頼で最も多いのは,医療機関からのものです。ついで多いのが居宅介護支援事業所からの依頼になります。これは,訪問診療の対象となる人にはケアマネジャーがついていることが大多数であることが,理由として挙げられます。医療機関と居宅介護支援事業所からの依頼は全体の約7割になり,増患のためには,この2つに対して自院をどうアピールしていくかが重要となってきます(図1)。

また,施設からの依頼も重要で,一気に訪問診療の患者数を獲得することができます。ただし,施設への訪問診療は厳格な24時間365日の電話対応と往診対応の体制を要求されます。スタッフが充実し,緊急往診や夜間休日への対応が可能になったら,施設への訪問診療を検討してみるのがよいでしょう。

〈今回の数字〉
依頼元は医療機関と居宅介護支援事業所で約7

訪問診療の依頼元は医療機関や居宅介護支援事業所からの紹介がメインとなっており,都内で毎年200名ほどの新患を受け入れているクリニックでは,約7割の患者さんがこの2つからの依頼となっています。

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