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コスト削減により利益のでる体質をつくりましょう![クリニック経営戦略「お悩み相談室」(第4回)]

No.5225 (2024年06月15日発行) P.52

監修: 小松大介 (株式会社メディヴァ・コンサルティング事業部長)

執筆: 浅野 悠 (株式会社メディヴァ・コンサルティング事業部)

登録日: 2024-06-12

最終更新日: 2024-06-11

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質問
1日当たりの患者数が多いにもかかわらず,利益が思ったより出ていません。毎月のクリニックの出費が多いようにも思いますが,どうしたらよいでしょうか?

回答
まずはクリニックの損益分岐点を把握して対策を考えましょう。今回のケースでは,コスト削減により,損益分岐点を下げることで経営効率が上がるため,利益が出る体質をつくることが期待できます。

1. 損益分岐点を知る

損益分岐点とは,売上と費用がまったく同じ金額であり,利益がゼロになる点のことです。つまり,売上が損益分岐点を上回れば利益が生まれ,下回れば損失が発生してしまいます(図1)。クリニックの経営状況の理解においては非常に重要なため,確実に押さえておきたい指標の1つです。また,この損益分岐点を下げることができれば,同じ売上であっても,より多くの利益を生み出すことができます。今回のケースでは,患者数(売上)は十分だと考えられますので,コストを削減することで損益分岐点を下げることが期待できます。

 

計算方法
■損益分岐点売上高=固定費÷(1−変動比率)
■損益分岐点患者数=損益分岐点売上高÷患者単価÷診療日数

〈今回の数字〉
損益分岐点比率80

損益分岐点比率は,「損益分岐点売上高÷実際の売上高」で算出することができます。一般的に,この比率が80%を下回っていたら経営状況が良好,90%を超えていたら,売上が10%減少した場合,赤字になるため危険水域と認識されています。

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