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診療所/一般病院の血液診療Do&Don't

日常の血液診療であなたがすべきこと、してはいけないことがわかる!

定価:4,070円
(本体3,700円+税)

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編著: 岡田 定(聖路加国際病院人間ドック科部長・血液内科)
判型: B5判
頁数: 176頁
装丁: 2色部分カラー
発行日: 2018年03月15日
ISBN: 978-4-7849-5707-1
版数: 第1版
付録: -
  • 診療所や一般病院の日常診療でチェックした血算から貧血、白血球増加、白血球減少、血小板減少、汎血球減少等々がわかり「さて、どうしたものか?」と悩んだとき、出血傾向やリンパ節腫脹に遭遇してしまったとき、M蛋白血症や血清蛋白異常がわかって「骨髄腫かもしれない!」と思ったとき、あなたはどうしていますか?
  • そんなあなたのために「具体的に何をすべきで(Do)、何をすべきでないのか(Don’t)」をわかりやすくまとめました。患者さんへの説明の具体例も多数紹介!
  • 血液専門医に紹介しなければいけない病態やタイミングが繰り返し強調されているので、例題を解きながら読み進むうちに「血液診療で本当に大切なことは何か」がはっきり見えてきます!
診療科: 内科 血液内科

目次

第1章 貧血
■ 貧血の初期対応
  1.貧血を疑うとき
  2.頻度の高い貧血
  3.緊急性の見きわめと初期対応
  4.重篤性の見きわめと初期対応
■ 貧血の鑑別
 A.慢性貧血の鑑別
  1.小球性貧血(MCV<80)の鑑別
  2.正球性貧血(MCV=80〜100)の鑑別
  3.大球性貧血(MCV>100)の鑑別
 B.急性貧血の鑑別
■ 貧血の治療・患者説明
  1.鉄欠乏性貧血の治療・患者説明
  2.二次性貧血の治療
  3.ビタミンB12欠乏性貧血の治療・患者説明

第2章 白血球増加
■ 白血球増加の初期対応
  1.頻度の高い白血球増加
  2.緊急性の見きわめと初期対応
  3.重篤性の見きわめと初期対応
■ 白血球増加の鑑別
  白血球分画と鑑別疾患
■ 白血球増加の治療・患者説明
 
第3章 白血球減少
■ 白血球減少の初期対応
  1.頻度の高い白血球減少
  2.緊急性の見きわめと初期対応
  3.重篤性の見きわめと初期対応
■ 白血球減少の鑑別
  白血球分画と鑑別疾患
■ 白血球減少の治療・患者説明
 
第4章 血小板減少
■ 血小板減少の初期対応
  1.血小板減少を疑うとき
  2.頻度の高い血小板減少
  3.緊急性の見きわめと初期対応
  4.重篤性の見きわめと初期対応
■ 血小板減少の鑑別
  1.血小板が減少する原因
  2.血小板減少の問診のポイント
  3.診察のポイント
  4.検査のポイント
  5.PT,APTTが延長している場合
  6.PT,APTTが正常の場合
■ 血小板減少の治療・患者説明
  1.血小板輸血の実際
  2.ITPと診断した場合の対応
  3.患者説明の実際
 
第5章 汎血球減少
■ 汎血球減少の初期対応
  1.汎血球減少を疑うとき
  2.汎血球減少をきたす疾患
  3.緊急性の見きわめと初期対応
  4.重篤性の見きわめと初期対応
■ 汎血球減少の鑑別
■ 汎血球減少の治療・患者説明
 
第6章 出血傾向
■ 出血傾向の初期対応
  1.出血傾向を疑うとき
  2.頻度の高い出血傾向
  3.緊急性の見きわめと初期対応
  4.重篤性の見きわめと初期対応
■ 出血傾向の鑑別
  1.出血の原因を想定しながら問診と診察を行う
  2.血小板減少の問診のポイント
■ 出血傾向の治療・患者説明
 
第7章 リンパ節腫脹
■ リンパ節腫脹の初期対応
  1.リンパ節腫脹のアプローチ
  2.頻度の高いリンパ節腫脹
  3.緊急性の見きわめと初期対応
  4.重篤性の見きわめと初期対応
■ リンパ節腫脹の鑑別
  リンパ節生検の適応
■ リンパ節腫脹の治療・患者説明
 
第8章 M 蛋白血症と血清蛋白異常
■ M蛋白血症と血清蛋白異常の初期対応
  1.血清蛋白の基本
  2.M蛋白血症をみたとき
  3.頻度の高いM蛋白血症
  4.緊急性の見きわめと初期対応
  5.重篤性の見きわめと初期対応
■ M蛋白血症と血清蛋白異常の鑑別
■ M蛋白血症と血清蛋白異常の治療・患者説明

コラム
  AIの進歩と未来の医療
  喫 煙
  孫わやさしい
  私のリビングウィル
  血管内リンパ腫
  生活習慣病
  少子超高齢社会と未来の医療
  模擬結婚式

索 引

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序文

 本書「診療所/一般病院の血液診療 Do & Don’t」は,血液専門医ではない診療所や一般病院の先生方のための本です。血液診療の基本を,Do(やるべきこと)とDon' t(してはいけないこと)でガイドします。
 下の図をご覧下さい。四角の部分全体が,先生方が担当される内科診療領域です。この中には,消化器,呼吸器,循環器,…と様々な診療領域があります。血液診療領域は大きな円の部分です。血液専門医が担当すべき領域は,その中の小さな円の部分(B)です。したがって,先生方が担当される領域は,大きな円から小さな円(B)を除いたドーナッツ状の領域(A)ということになります。
 先生方が担当されるAの血液診療領域は意外に大きいのです。本書はここにスポットを当てています。



 血液診療の多くは血算の異常から始まります。先生方が日常的にチェックされている血算によって,貧血,白血球増加,白血球減少,血小板減少,汎血球減少などがわかり,「さて,どうしたものか?」と思われることはないでしょうか。出血傾向やリンパ節腫脹に遭遇して苦慮されたことはないでしょうか。M蛋白血症や血清蛋白異常がわかって「骨髄腫かもしれない!」と思われたご経験はないでしょうか。
 「血液診療で本当に大切なことは何か」,「具体的に何をすべきで,何をすべきでないのか」をまとめました。血液専門医に要求されるような専門的な内容(Bの領域)は省き,専門医に紹介しなければいけない病態やタイミングは繰り返し強調しました。
 章立ては,「第1章 貧血」,「第2章 白血球増加」,「第3章 白血球減少」,「第4章 血小板減少」,「第5章 汎血球減少」,「第6章 出血傾向」,「第7章 リンパ節腫脹」,「第8章 M蛋白血症と血清蛋白異常」です。
 各章とも「初期対応」,「鑑別」,「治療・患者説明」からなります。
 たとえば第1章の貧血では,「貧血の初期対応」のDoを最初にまとめます。次に,貧血を疑うとき,頻度の高い貧血,緊急性の見きわめと初期対応,重篤性の見きわめと初期対応,について解説します。最後に,「貧血の初期対応」を具体的な例題を使ってQ&Aで解説し,Don' tを述べます。「貧血の鑑別」と「貧血の治療・患者説明」も同様です。最初にDoがあり,次に解説,例題が続き,Don' tで注意を喚起します。
 
 執筆者は岡田 定と樋口敬和です。聖路加国際病院の内科レジデントの先輩と後輩の関係で, 長年共に血液診療に従事してきた仲になります。
第1章から第3章までとコラムを岡田が担当し,第4章から第8章までを樋口が担当しています。
 本書が,先生方と血液専門医との架け橋になり,日本の血液診療のレベルアップにわずかなりとも貢献できることを切に祈ります。
 最後にお世話になった日本医事新報社の村上由佳氏に,この場を借りて感謝申し上げます。

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