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在宅医療と24時間対応①:外来中心の診療所が手掛ける在宅医療[クリニック経営戦略「お悩み相談室」(第6回)]

No.5234 (2024年08月17日発行) P.58

監修: 小松大介 (株式会社メディヴァ・コンサルティング事業部長)

執筆: 椎野優樹 (株式会社メディヴァ・コンサルティング事業部)

登録日: 2024-08-14

最終更新日: 2024-08-14

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質問
外来に通えなくなった患者さんが増えてきたため,当院でも在宅医療を始めてみようかと思案しています。しかし,当院は常勤医師1人体制なので,24時間対応するとなると,院長である私が昼夜を問わず対応しないといけなくなります。他の医療機関ではどのようにして24時間対応をしているのでしょうか?

回答
24時間対応の体制を整えて在宅医療を行う「在宅療養支援診療所(在支診)」の届出をしなければ,24時間対応は求められません。昼休みや外来の前後の時間を使って訪問診療を行い,緊急時には救急受診の指示をしたり,24時間対応が可能な医療機関に紹介したりするなどの対応をしている診療所が多いようです。

1. 在宅医療で求められる24時間対応体制の整理

在宅医療の診療単価については,本連載の第2回(No.5217参照)で「自宅で療養している患者さんを月1回訪問する場合,3000点ほどで,内科の外来を定期受診する場合の単価の約6倍になる」と説明しました。

在宅医療は「24時間即応できる体制が必須」で,単価は高いものの,負担が重いとお考えの先生は少なくないのではないかと思います。しかし実は,必ずしも24時間往診ができなくても,在宅医療を行うことができます。診療報酬では,どのように規定されているかを見ていきます。

〈今回の数字〉
24時間対応でない診療所では臨時往診はほぼ0

24時間365日対応できなければ在宅医療を行えないと思われがちですが,自院が対応できる範囲で在宅医療を行うことも可能です。在支診の届出をせず,24時間対応でない外来中心の診療所では,月15回程度の訪問診療に対して,時間外に臨時で往診を行う回数はほぼ0です。

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