厚労省の介護給付費分科会は9日、2015年度介護報酬改定の審議報告案を了承した。中重度者への対応や在宅を手厚く評価する一方で、サービスによっては基本報酬の引下げにも切り込むなど、機能に応じてメリハリを付けたのが特徴だ。
医療ニーズの高い利用者に対応していることから、介護療養病床の機能は「今後も確保」するとした。在宅高齢者への通所・訪問リハビリテーションを充実し、訪問看護では緊急時訪問看護加算などが一定以上の事業所の報酬を引き上げる。議論の焦点だった介護職員処遇改善加算は引き続き継続し、拡充する。一方、特養やデイサービスについては基本報酬の適正化が明記された。
9日の会合では、前回会合で提示された原案から介護職員処遇改善加算に関する表現などを修正したものが示され、委員からは大きな異論は出なかった。
介護報酬改定を巡っては、麻生太郎財務相と塩崎恭久厚労相が11日に折衝し、改定率をマイナス2.27%とすることで合意。マイナス改定は9年ぶりとなる。厚労省は2月6日に開催予定の次回会合で、報酬・加算の具体的な金額を盛り込んだ介護報酬改定案を提示し、諮問・答申を目指す。