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側頭骨内顔面神経鞘腫のフォローアップと治療について

No.5250 (2024年12月07日発行) P.43

萩森伸一 (大阪医科薬科大学耳鼻咽喉科・頭頸部外科教授)

濵田昌史 (東海大学医学部医学科専門診療学系耳鼻咽喉科・頭頸部外科学教授)

登録日: 2024-12-06

最終更新日: 2024-12-04

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  • 近年の診断技術の進歩とともに,顔面神経麻痺の既往がない例も含め側頭骨内顔面神経鞘腫が診断されることも増えています。診療はwait and scan,手術,定位放射線治療などがありますが,どのような方針で診療に当たられていますでしょうか。特に手術治療については術後顔面神経麻痺をきたしたり,麻痺が増悪する可能性が高いのですが,手術適応や術式を含め,東海大学・濵田昌史先生にご解説をお願いします。

    【質問者】
    萩森伸一 大阪医科薬科大学耳鼻咽喉科・頭頸部外科教授


    【回答】

    【治療方針は,顔面麻痺の有無や腫瘍局在によって総合的に判断する】

    側頭骨内顔面神経鞘腫の発見経緯としては,①奇異な顔面神経麻痺経過,②片側性難聴の存在,いずれかの精査のための画像診断が挙げられます。神経鞘腫は良性腫瘍であるがゆえに発見即治療とはならず,合併する顔面神経麻痺の程度や腫瘍の局在など様々な要素を考慮した上で,総合的に治療方針を決定します。

    顔面神経鞘腫が顔面麻痺を伴わない場合(あるいは麻痺後に完全治癒している場合)には原則wait and scan方針を適用し,定期的な(6カ月~1年ごとに)画像フォローアップを行います。その際の画像検査には,中耳内に限局する場合には耳小骨や内耳の破壊を確認するために側頭骨高分解能CTが推奨され,内耳道内~脳槽あるいは耳下腺内に進展した症例では腫瘍増大評価のために造影MRIが適しています。

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