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帯状疱疹の新常識:検査法の選び方[〈プライマリ・ケア医が知っておくべき〉クイズで学ぶ 皮膚科診療の“新常識”(5)]

No.5253 (2024年12月28日発行) P.9

渡辺大輔 (愛知医科大学皮膚科教授)

登録日: 2024-12-26

最終更新日: 2024-12-24

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Q


46歳,男性。臀部に痛みが生じた2日後に皮疹が出現したため,当科を受診した。初診時,仙骨部,臀部に軽度の疼痛を伴う小水疱の集簇を認めた。患者の話によると,以前,同部位に皮疹が出たことがあるかもしれないとのことであった。本患者において,行うべき検査は以下のうちどれか。

核酸増幅検査
抗体価測定
イムノクロマト法
Tzanck試験

帯状疱疹と鑑別すべき疾患

帯状疱疹は,水痘感染後に潜伏感染していた水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)の再活性化による疾患であり,体の片側の支配神経領域(デルマトーム)に一致して疼痛を伴う小水疱が帯状に集簇する。典型例では問診,視診により臨床診断が可能だが,丹毒,伝染性膿痂疹,手足口病,刺虫症,接触皮膚炎や自己免疫性水疱症など,臨床的に帯状疱疹と鑑別すべき疾患は数多く存在する。上の症例のように,顔面や臀部に皮疹が出現した場合,特に単純ヘルペスウイルス(HSV)感染症である顔面ヘルペス,臀部ヘルペスやカポジ水痘様発疹症との鑑別が問題となる。

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