厚生労働省は15日、聖マリアンナ医大病院に関連する精神保健指定医20名の指定の取消しを決定した。処分の発効は17日。
対象となったのは別掲の20名。このうち(A)の11名は、指定申請時に自ら担当として診断・治療等に十分な関わりを持っていない症例をケースレポートとして提出していた。(B)の9名は、指導医としての指導・確認を怠りながら、指導医としてケースレポートに署名していた。
今年1月、指定医新規申請者のうち聖マ医大病院の医師から提出されたレポートと、同病院に勤務または過去に勤務していた指定医のレポートの症例の内容が酷似しており同一症例と疑われるとの報告が、申請を受領した関東信越厚生局から厚労省に寄せられた。
同省は、病院に診療録の写しの提出と調査を求め内容を確認。過去に指定医として指定された11名の医師と9名の指導医に聴聞を行い、全員が事実を認めた。
17日に会見した塩崎恭久厚労相は、「医師のモラルにも関わる、大変遺憾なケース」と述べ、ケースレポートのデータベース化など再発防止策を徹底したい考えを述べた。さらに、相次ぐ死亡事故など「昨今の大学附属病院でのガバナンスの緩み、不徹底の問題の続発」について「どういう共通項があるのか考えていく」としている。
(A)前泊味音、柳田拓洋、藤原圭亮、北島麗、板谷光希子、野口美和、齋藤香織、天神朋美、石川哲也、田口篤、渡邉高志
(B)貴家康男、宇田川至、田中大輔、富永桂一朗、三宅誕実、関口悦子、中野三穂、金井重人、荻野信