福岡資麿厚生労働相は2月4日の閣議後会見で、1月27日の労働政策審議会安全衛生分科会で取りまとめられた報告書にストレスチェックの実施義務の拡大が盛り込まれたことを受け、地域産業保健センターにおける登録産業医の充実など体制整備を図る方針を示した。
審議会は近年の労働安全衛生を巡る動きのうち(1)個人事業者等に対する安全衛生対策の推進、(2)職場のメンタルヘルス対策の推進、(3)化学物質による健康障害防止対策等の推進、(4)高年齢労働者の労働災害防止の推進―を柱に議論を進めてきた。
このうち(2)では2023年に精神障害の労災支給決定数が883件と過去次第となったことを背景に、ストレスチェックおよび医師の面接指導の実施機会拡大の必要性を指摘。現行法でストレスチェックは従業員50人未満の事業場においては当分の間努力義務とされていたが、対象を拡大し全事業場への義務化が盛り込まれた。
福岡厚労相は実施体制の整備が不十分となる可能性がある中小企業について、「周知と支援を行うことが重要」と強調。登録産業医の充実に加え、施行までの十分な準備期間の確保、実施体制・実施方法についてのマニュアル整備等の支援を検討すると述べた。