【Q】
ベンゾジアゼピン系薬物は通常の臨床用量以下の使用でも,長期の服用により依存が形成され,中止によって離脱症状が現れるという常用量依存を起こすことが知られています。しかし,その依存形成について触れられる機会が少なく,アルコールや覚醒剤などの物質依存とも異なるように思われます。【A】
依存性薬物はシナプス伝達に影響を与える特異的な標的,たとえばモノアミントランスポーター,オピオイド受容体,カンナビノイド受容体,セロトニン受容体,NMDA(N-methyl-D-aspartate)型グルタミン酸受容体,GABA(γ-aminobutyric acid)受容体,ニコチン性アセチルコリン受容体,アデノシン受容体などに作用します。
1) Rudolph U, et al:Nat Rev Drug Discov. 2011;10(9):685-97.
2) Tan KR, et al:Nature. 2010;463(7282):769-74.
3) 吉見 陽, 他:精神誌. 2012;114:SS146-53. [https://www.jspn.or.jp/huge/107_symposium.pdf]
4) 伊藤教道, 他:臨精薬理. 2013;16(6):833-9.