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インフルエンザ罹患者に対し, 特定休暇を策定すべきか

No.4699 (2014年05月17日発行) P.69

安西 愈 (弁護士)

登録日: 2014-05-17

最終更新日: 2016-10-18

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【Q】

インフルエンザに罹患すると学校保健法にならって解熱後2日かつ発症後5日経過するまで出勤停止としている企業や職場が多いようだが,これは有給休暇とすべきものか,それとも別に企業などがインフルエンザ特別休暇を策定したほうがよいのか。(長崎県 Y)

【A】

一般の(季節性)インフルエンザは,特定感染症に指定されてはいるが,感染症予防法第18条の就業制限の対象となるものではなく,一般の私病であるから,療養および感染防止のために,発症後5日間は職場において出勤停止とされていても,それは公益的見地から法令に基づいて就業が制限されているものではない。
したがって,会社の就業規則上は,通常の風邪などの疾病と同じように取り扱われる。そこで,そのまま欠勤すれば病気欠勤ということになり,これを避けるため病気欠勤であっても年次有給休暇を取得することは差し支えない(昭24・12・28基発1456号,昭31・2・13基収489号通達)。
わが国において,法令上や社会通念上の施策として,一般のインフルエンザについて,私企業に対して特別休暇を策定して労働者の会社への出勤を停止して,ほかへの感染予防の措置を講ずべきことまでは要請されてはいない。

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