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スギ花粉症に対する舌下免疫療法:3年目の検証 【non-responderが一部存在するものの,治療効果・患者満足度は比較的良好】

No.4826 (2016年10月22日発行) P.49

小林信之 (国立病院機構東京病院統括診療部部長)

登録日: 2016-10-21

最終更新日: 2016-10-21

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スギ花粉舌下液を用いた舌下免疫療法が,2014年10月より開始されて16年で3年目となった。本療法は,スギ花粉が飛散していない時期に投与を開始し,数年間にわたる連日服用が必要となることから,長期継続のための患者教育が重要となる。

16年6月,日本アレルギー学会学術大会でシンポジウムが企画され,舌下免疫療法を数多く経験している施設より治療成績等が報告された。服薬アドヒアランスに関しては,花粉飛散終了時までは良好であるが,花粉飛散が終わると下がり,そのまま中断してしまうケースがあることが示されている。また,治療効果に関する患者アンケート調査の結果では,Aクリニックでは「症状なし,軽くなった」が63%,BクリニックではQOLスコアは50%以上が良好,C大学病院では満足度は70%と比較的良好であることが報告された。そして副反応については,口腔内違和感・腫脹,痒みなどがみられたが,いずれも軽微なものであり,ほとんどが治療継続できた。

このように,一定の効果を感じている患者は多いようであるが,一部でnon-responderが存在する。

今後の課題として,効果判定のための客観的マーカー,早い段階での効果予測因子,適切な治療期間,寛解率,治療終了後の持続効果を明らかにすることなどが挙げられる。

【参考】

▶ 後藤 穣, 他:アレルギー. 2016;65(4-5):387-9.

【解説】

小林信之 国立病院機構東京病院統括診療部部長

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