自民党の「社会保障制度に関する特命委員会」は13日、介護に関するプロジェクトチーム(座長=田村憲久前厚生労働相)の会合を開き、介護分野における年末の制度改正や予算編成に向けた議論を開始した。
会合では公取委が、介護分野の活発な競争促進を目的として9月に公表した「介護分野に関する調査報告書」(用語解説)の概要を説明。しかし自民党議員からは、公取委が制度設計に関する提言を行ったことについて、「どんな法的根拠に基づいているのか」「規制改革推進会議の下請けなのか」など激しい批判が続出し、声を荒げる議員もいた。
報告書は、主な論点として保険内サービスと保険外サービスを組み合わせて一体的に提供する「混合介護」の弾力化の必要性を指摘しているが、会合では「混合介護という言葉を初めて聞いた」「どんなものかイメージが湧かない」との声が相次いだ。田村座長は公取委担当官に説明を求めたが、納得のいく回答は得られず、本質的な議論には至らなかった。
終了後、取材に応じた田村座長は、「報告書にあるような内容を規制改革推進会議が提言することは理解できるが、公取委は現在ある制度の中で公正な競争が行われているかどうかを監視するのが役割。制度設計に口出しするのは明らかに越権行為だ。次回にしっかりとした説明がなければ報告書を撤回するのが妥当ではないか」との考えを示した。