社会保障審議会介護給付費分科会は12日、介護職員の給与引上げに向けた2017年度臨時介護報酬改定の議論を開始した。
政府が今年8月に閣議決定した「未来への投資を実現する経済対策」では介護職員の処遇改善のため、介護職員の給与を月1万円程度引き上げるとともに、キャリアアップの仕組みを構築することを明記。来年4月に臨時に介護報酬改定を行うことで実現を図るとしている。
厚生労働省は12日の会合で、給与引上げを巡る論点として①介護職員の賃金は他職種・他産業と比べて未だ低い傾向にあるという現状を踏まえた確実な処遇改善の仕組み、②キャリアアップの仕組みの具体的な対応、③介護職員処遇改善加算のあり方─の3点を提示した。
介護給付費分科会は今後、介護職員の給与引上げやキャリアアップの具体案を取りまとめる予定。政府は給与引上げのため2017年度予算に費用を計上し、財政安定化基金を特例的に積み増す方針だ。