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DSM-5項目解説(6)

No.4725 (2014年11月15日発行) P.52

武田雅俊 (大阪大学精神医学教授)

登録日: 2014-11-15

最終更新日: 2016-10-26

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6 強迫症および関連症群/強迫性障害および関連障害群(obsessive-compulsive and related disorders)
強迫症(obsessive-compulsive disorder)/醜形恐怖症(body dysmorphic disorder)/ためこみ症(hoarding disorder)/抜毛症(trichotillomania(hair-pulling disorder))/皮膚むしり症(excoriation(skin-picking)disorder)

強迫症および関連症群は,DSM-5で新しく設けられた項目である。強迫性障害に,DSM-Ⅳでは身体表現性障害として扱われていた身体醜形障害が加わり,さらに新たに,ためこみ症,抜毛症,皮膚むしり症が加えられて独立した項目となった。
強迫症は,強迫観念(絶えず湧き起こる不快な心配)と強迫行為(その心配に基づく繰り返される行為)により規定される障害であるが,強迫観念は,絶えず繰り返し湧き起こる観念とそれを排除し抑制しようとする行為により診断する。強迫行為は特定の考えや儀式により繰り返される行為と,強迫観念に基づく不安や混乱を回避しようとする行為により診断される。洞察についての特定用語が用意されており,自らの強迫観念がどの程度,非現実的・非合理的であるかについての洞察を,十分,乏しい,皆無で確信的,の3段階で特定する。

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