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DSM-5項目解説(8)

No.4730 (2014年12月20日発行) P.52

武田雅俊 (大阪大学精神医学教授)

登録日: 2014-12-20

最終更新日: 2016-10-26

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9 身体症状症および関連症群(somatic symptom and related disorders)
身体症状症(somatic symptom disorder)/病気不安症(illness anxiety disorder)/変換症(conversion disorder)/他の医学的疾患に影響する心理的要因(psychological factors affecting other medical conditions)/作為症(factitious disorder)

DSM-Ⅳの身体表現性障害に対応する項であり,以前の身体表現性ヒステリーに相当する。DSM-Ⅳでの身体化障害,鑑別不能型身体表現性障害,疼痛性障害と一部の心気症が一本化されて,身体症状症としてまとめられた。またDSM-Ⅳでは独立して扱われていた作為症(虚偽性障害)は降格し,身体症状症の一項目となった。

10 食行動障害および摂食障害群(feeding and eating disorders)
異食症(pica)/反芻症(rumination disorder)/回避・制限性食物摂取症(avoidant/restrictive food intake disorder)/神経性やせ症(anorexia nervosa)/神経性過食症(bulimia nervosa)/過食性障害(binge-eating disorder)

食行動障害の項では,これまでの神経性やせ症,神経性過食症,過食性障害に加えて,異食症,反芻症,回避・制限性食物摂取症とに区分された。これらの障害は同一個人において移行することも多く,その状態に応じて診断することになった。
したがって,これまでは神経性やせ症の患者には一時的に神経性過食を呈する時期がありうると理解されてきたが,DSM-5ではそれぞれの時期にそれぞれの診断名を使用することになる。

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