レビー小体型認知症(dementia with Lewy bodies:DLB)の診療では,2005年に発表された第3回国際ワークショップにおけるDLBの臨床診断基準が一般的に用いられている(文献1)。診断基準の示唆的特徴のひとつにドパミントランスポーター(DA-T)の取り込み低下が挙げられている。DA-Tイメージングは欧米では以前より用いられ,わが国でも2014年1月27日よりDA-Tイメージング用SPECT製剤の123I-FP-CIT(イオフルパン)が使用可能となった。DA-Tは黒質線条体ドパミン神経の終末部より放出されるドパミンの再取り込みを行っている膜蛋白質である。123I-FP-CITのDA-Tへの結合能を評価することでDA-Tの脳内分布を可視化し,黒質線条体ドパミン神経の変性・脱落の評価ができる。
健常者もしくはドパミン系障害がないアルツハイマー病では,「コンマ」もしくは「勾玉型」と呼ばれる取り込みを認める(図)。これに対し,DLBではDA-T低下を反映し,「ドット」もしくは「点」に造影されるため,補助診断に有用である。
1) McKeith IG, et al :Neurology. 2005 ; 65(12) :1863-72.