パーキンソン病の中心的治療薬であるL-dopaは,1967年にGeorge Cotziasによって高用量投与の有効性が報告された。一方,1977年にはMarsdenによって,L-dopaの長期投与に伴うwearing off,ジスキネジアなどの副作用が指摘されている。
その副作用を克服するためL-dopaとドパ脱炭酸酵素阻害薬の合剤が使われていたが,2014年にさらなるcontinuous dopaminergic stimulationをめざしてL-dopa,ドパ脱炭酸酵素阻害薬および末梢カテコール-O-メチル基転移酵素阻害薬の合剤が,わが国において保険収載された。また海外ではL-dopa,ドパ脱炭酸酵素阻害薬合剤のジェルによる経腸持続投与が試みられており,第3相試験の結果,off時間を短縮する効果があることが報告(文献1)された。
そのほかにもL-dopa,ドパ脱炭酸酵素阻害薬合剤の内服徐放製剤であるIPX066が,第3相試験において即放薬と比較してoff時間,有害なジスキネジアを伴うon時間の短縮を有意に改善したことが報告(文献2)されている。
今後,わが国においても臨床への応用が期待される。
1) Lew MF, et al:Parkinsonism Relat Disord. 2015;21(7):742-8.
2) Hauser RA, et al:Lancet Neurol. 2013;12(4):346-56.