「抗認知症薬の作用は個人差が大きい。医師の裁量で患者それぞれの適量を処方すべき」─。「抗認知症薬の適量処方を実現する会」が18日に会見を開き、長尾和宏代表理事(写真)が強調した。厚生労働省は6月の事務連絡で抗認知症薬の規定量未満での処方(少量処方)を事実上容認しているが、長尾氏は「現場にはまだ浸透していない」としてさらなる周知を求めている。
長尾氏は、「抗認知症薬は副作用が少なく安全とされているが、不整脈など危険な副作用が出ることもある」と指摘。暴力性が高まった患者に対しては抗認知症薬の増量や抗精神病薬の処方ではなく、減量や処方の中止を考える必要性を訴えた。同会の今後の活動については「抗パーキンソン病薬や抗精神病薬など、脳に作用する薬の適量処方実現を目指したい」としている。