日本の薬物依存症治療を牽引する。2006年に立ち上げた認知行動療法による薬物依存症治療プログラム「SMARPP(Serigaya Methamphetamine Relapse Prevention Program)」は、今年4月から医療保険の適用となり、現在は23の医療機関、30の行政機関で活用されている。
SMARPPは1クール週1回全24回のグループセッションで支持的介入を行う。常に来院を歓迎し、再使用を申し出ても秘密を保持。無断欠席した場合には「参加を待っている」などと伝え、積極的にコンタクトをとる。こうした方針をとるのは、薬物依存症の予後を左右するのが「治療の継続性」であるため。仮に断薬できなくても、治療継続率が高いほど健康被害や社会経済的損失が少ない。厚労科学研究による検証の結果、SMARPPは治療継続率を高めることが明らかになった。
「薬物依存症は慢性疾患です。罰では治らないですし、治療効果は貯金ができない。地域で治療を続けることが必要です」。しかし薬物依存症の医療資源は不足し、専門医は全国で10人ほどしかいない。そのため、専門医に頼らず実施できる簡易な治療プログラムSMARPPを開発した。
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