ランダム化試験“CSPS Ⅱ”において、脳卒中亜急性期からのシロスタゾール服用は、アスピリンに比べ脳卒中、出血性イベントのいずれも有意に抑制していた。しかし、同試験では出血高リスク例が除外されていた。
米国ヒューストンで21~24日に開催された国際脳卒中学会議で、「頭蓋内出血高リスク」の非心原性脳梗塞・TIA(一過性脳虚血発作)例を対象に、シロスタゾールとアスピリンを比較したランダム化試験“PICASSO”の結果が明らかになった。韓国アサン・メディカルセンターのSun U. Kwon氏が、23日のセッションで報告した。
その結果、有効性1次評価項目である「血管系イベント」(脳卒中、心筋梗塞、血管系死亡)に両群間で有意差はなかった(シロスタゾール群:63例、アスピリン群:80例、ハザード比〔HR〕:0.80、95%信頼区間〔CI〕:0.60-1.05)。脳卒中のみではシロスタゾール群で有意に減少していたが(48例vs.73例)、心筋梗塞に増加傾向を認めた(9例vs.2例、HR:4.60、95%CI:0.99-21.27)。
同様に、安全性1次評価項目の「頭蓋内出血・くも膜下出血」も、シロスタゾール群で減少傾向を認めたが、有意差とはならなかった(9例vs.18例、HR:0.51、95%CI:0.23-1.13)。
PICASSO試験の解析対象は、頭蓋内出血既往を有する(約20%)、もしくは画像上で陳旧性脳出血巣(約40%)、多発性微小出血(約60%、重複あり)を認めた、直近180日以内の非心原性脳梗塞・TIA既往を有する1,512例。シロスタゾール200mg/日分2群とアスピリン100mg/日群にランダム化され、1年間、二重盲検下で追跡された。
なお、本試験は、韓国大塚製薬株式会社の出資により行われた。