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【コラム】扁桃誘発検査 [特集:今、話題になっていること ─耳鼻咽喉科編]

No.4846 (2017年03月11日発行) P.41

高野賢一 (札幌医科大学耳鼻咽喉科准教授)

登録日: 2017-03-10

最終更新日: 2017-03-08

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  • 過去の扁桃誘発検査

    病巣感染症とは,身体の一部に限局した慢性炎症の病巣があり,それ自体はほとんど症状を示さないが,その原病巣から無関係の遠隔部位に反応性の器質的あるいは機能的障害,すなわち二次疾患を引き起こす疾患であることは広く知られている1)2)
    扁桃誘発検査は,この病巣感染症の原病巣が扁桃であるかどうかを確認する検査法である。扁桃に直接あるいは間接的に刺激を与えて診断する扁桃病巣感染症の補助診断法のひとつとして半世紀以上前に報告3)されて以来,広く臨床的に行われてきた。
    従来は,扁桃に物理的刺激を与える「扁桃マッサージ法」,化学的刺激を与える「ヒアルロニダーゼ法」が行われてきたが,1980年代からは超短波・極超短波照射による「直接・間接誘発法」が信頼性の高い検査として一般に行われるようになった4)。扁桃誘発検査の陽性基準は,体温が0.45℃以上の上昇,白血球数1000/μL以上,赤沈値10mm/h以上の増加を認めた場合,とされた5)
    扁桃打ち消し試験は,1日1回,5~7日間連日施行するもので,皮膚疾患,骨関節疾患では症状の変化が参考になるとされた。ほかの試験として,インプレトール(生理食塩水100mLにプロカイン2g,カフェイン1.42gを溶解)を前口蓋弓粘膜下に注入する「インプレトール試験」,陰窩洗浄針を扁桃陰窩内に挿入し洗浄する「扁桃陰窩洗浄法」,レーダー吸引管を用いて陰圧で陰窩膿栓などの内容物を吸引する「レーダー吸引法」が行われてきた6)

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