日本医師会の横倉義武会長は3月29日の定例会見で、政府の「働き方改革実行計画」で、医師に対する時間外労働の上限規制の適用に猶予期間が設けられたことに関して、「医師の雇用を労働基準法で規定することの妥当性を含めて、この機会に抜本的に考えたい」と述べた。
実行計画では、生涯学習としての学会・研修への参加や、医師法に基づく応招義務を考慮し、医師に対する時間外労働の罰則付き上限規制の適用を、改正労基法の施行から5年間猶予。医師の働き方については、医療関係者が参加する「検討の場」を設け、2年後をメドに具体的対策の結論を得るとされた。
会見で横倉氏は「国民も医療関係者も、あまり医師を労働者として考えてこなかった」と指摘。日医として検討の場に積極的に参加し、医師の働き方改革に関する議論を「リードしたい」とした。
また、検討の場では、①医師の健康保持、②応招義務と労働関連法規の関係性、③医師数と疾病構造─などを重点的に議論すべきとし、労働時間短縮策として医師の増員が議論の対象となる場合には「診療報酬上の手当ての財源も併せて検討すべき」との見解を示した。