認知機能の低下はあるものの普段のADLにはほとんど問題がなく歩行可能な84歳の女性。来院3日前から頸部痛があり,徐々に頸が回らなくなり普段行っている高い棚の整理ができなくなったという。
普段は近所のかかりつけ医に通院しており,当院の受診歴がない高齢女性。家人とともに夜間救急外来を受診した。夜間のため近医から診療情報は得られず,本人,家人から病歴を聴取した。主訴である頸部痛については,高齢者ということからもある程度ありふれた疾患から重篤な疾患の鑑別が挙げられる(表1)。言うまでもなく,救急外来の現場で必要な診断推論は,まず生命に関わる重篤な疾患を除外することである。引き続き病歴聴取と身体診察にて鑑別疾患を考えていきたい。
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