都内で在宅診療を行う宮田俊男氏(日本医療政策機構理事、みいクリニック院長)は22日に都内で講演し、現場の医師が積極的にテクノロジーを使うことで日本の産業振興につながると強調した。
「『在宅医療×テクノロジー』の“今”をつかみ“未来”をつくる」(メドピア主催)と題する企画で講演した宮田氏は、「(臨床現場ではICTや医療機器など最新のテクノロジーを)使おうとする医師が少ない」と話し、特に在宅医療の現場ではテクノロジーの活用が遅れていると指摘。「日本で人工心臓が実用化されなかったのは、いつまでも現場で使わなかったのが理由」だとして、エンジニアとコミュニケーションをとりながら改善改良を重ねた欧米に遅れをとった背景を説明した。
宮田氏は医療分野での人工知能の活用についても、「世界に遅れをとらないか心配」と危機感を表し、「(使いにくくても)まずは現場で使ってみること」と医療現場に求められる姿勢を訴えた。その上で、「エンジニアと積極的に関わり、改善改良していくことが日本の産業(振興)につながる」と強調。「現場のニーズと合致していないこともあり、最初はストレスだが、粘り強く対応することで改良されていき、自分たちも便利になる。そういう視点で取り組んでほしい」と述べた。