医療現場は女性の比率が非常に高い職場です。そのため,必然的にセクシュアルハラスメント(セクハラ)が発生する率も高くなります。
セクハラは,「相手の意に反した性的な性質の言動を行い,それに対する反応によって仕事をする上で一定の不利益を与えたり,それを繰り返したりすることによって就業環境を著しく悪化させること」と定義されます。この定義に当てはまる言動は,すべてセクハラと認定されてしまう危険があります。現在,セクハラとされる言動は次のように分類されています。
セクハラ行為の認識に疎い医療現場では今でも散見される言動も含まれますので,ぜひ一度ご精読下さい。
立場・上下関係や権限を利用し,下位にある者に対する性的な言動や行為を行うこと。
・酒席での酌やキス,ダンスなどの強要。
・職場での昇進を対価にした性行為の強要。
・リストラする,降格するなどと脅して,体を無理矢理触ったり肉体関係を強要する。
行為がなされることで,働きづらい環境がつくられる嫌がらせ行為。
①視覚型
・人前で性的な記事の出ているスポーツ新聞を広げる。
・相手の体を,なめまわすように見る。
・ヌードのポスターなどを掲示する。
②発言型
・性的な発言や質問をする。たとえば「今日,生理なの?」「初体験はいつ?」「今日の服,セクシーだね」「下着の色は?」
・噂を流す。「○○と付き合っている」「○○とホテルへ行った」など
・執拗な交際の誘い。
・女性であるということだけで,お茶汲み,コピー取り,掃除などを強要する。
・女性に対する偏った固定観念に基づく不愉快な発言,容姿・年齢・服装に関するものや女性の結婚について干渉する。「おばさん臭い服だなあ」「女らしくないね」「男みたいだなあ」「お局様」「行き遅れ」「なぜ結婚しないの?」など
・女性のみ「ちゃん」づけにする。
③身体接触型
・相手の背後を通りすぎるたびに身体の一部を触る,など。
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