セルフケア,ラインケア,ともに効率的に効果を上げていくためには職員それぞれのメンタルヘルスに対する知識や関心が不可欠です。
筆者はこれをメンタルヘルスIQと呼んでいますが,雇用主だけではなく全職員のメンタルヘルスIQを高めていく時間と場を継続的に設けることをお勧めしています。
部下を持たない職員にはセルフケア知識の普及と実践を,1人でも部下を持つ上司にはセルフケアに加えラインケアの習得・実践が必要です。
これらのメンタルヘルスIQを高めていくためには,どうしたらよいのでしょうか?筆者の訪問先の中小企業で最も素晴らしいメンタルヘルス対策&教育をされている例をご紹介しましょう。
①毎年1〜2回,部下を1人でも持つ社員にはラインケア研修とそのフォロー研修を行う。内部の衛生管理者が講師になるだけではなく,外部講師を呼ぶ場合もある。または産業医に講師役を依頼することもある。
②全社員にセルフケア研修を1年に1回行う。健康ケアの基本を身につけてもらう。
③安全衛生委員を各部署から1名選任し,毎月必ず安全衛生委員会を行い,セルフケアやラインケアが実際に行われているか確認したり,さらなる改善点をミーティングしたりする。
④ラインケア研修を受けた上司からは,年に数回,部下の心身の状態や勤務状況についてチェックしたレポートを上げてもらう。レポートには,次のような項目がチェックリストとして挙げられている。
⑤このレポートで問題がある社員がいたら,すぐに人事担当者か使用者が面談し,必要ならば産業医面談を実施する。もしくは直接医療機関受診を促す。
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