地区医師会と連携した在宅医療提供体制として、厚生労働省も注目する“四日市モデル”。その立役者、いしが在宅ケアクリニック院長の石賀丈士氏に、全国からの視察が絶えない四日市モデルの成功の秘訣を聞いた。
開業前からビジョンを固めていたことだと思います。一番のキーワードは地域の開業医の先生とのスムーズな連携。“黒船”と見なされてしまえばうまくいかないことは、他の地域の事例から分かっていました。
そこで挨拶回りをした時に「手間のかかる重症やがん、難病の患者さんを引き受けます」と先生方に伝え、先生の今診ている患者を取りたいのではない、ということを理解してもらうようにしました。茶髪の若造だったので警戒されなかったのかもしれません。軽症や施設の患者さんは地域の先生、重症やがんは当院が診るという、お互いにとってメリットのある棲み分けができたことで、在宅医療の普及が一気に進みました。
また、地区医師会の在宅委員を担当させていただき、勉強会で講師を務めたり、情報交換をするようにしています。やはり日頃からコミュニケーションを取らないと、共存は難しい。今では地域の開業医の先生からの紹介が約8%を占めています。
残り1,800文字あります
会員登録頂くことで利用範囲が広がります。 » 会員登録する