日本小児科学会はこのほど、複数のワクチンを混ぜて接種すること(混注)について、「その効果と安全性を保証するデータは存在せず、実施してはいけない医療行為」とする見解を発表した。
この見解は、今年4月、東京都品川区のクリニックにおける誤った方法での予防接種が発覚したことを受けたもの。同区の調査では、MRワクチン、水痘ワクチン、おたふくかぜワクチンを混合した接種や、四種混合(ジフテリア、百日咳、破傷風、不活化ポリオ)ワクチンとHibワクチンを混合した接種が、最短でも5年間、350人以上の子どもに実施された可能性があることが分かっている。同様の混注事例は昨年、東京都北区のクリニックでも報告された。
同学会は2011年に同時接種に対する考え方を発表しており、同時接種を行う際の注意事項として「複数のワクチンを1つのシリンジに混ぜて接種しないこと」を挙げている。ただし、複数のワクチンを異なる部位に各々接種する同時接種については、「日本の子どもたちが必要なワクチンを適切な時期に接種するための重要な医療行為」とし、同時接種によって子どもへの予防接種を効率的に進めていく必要があるとしている。
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