厚生労働省の「アレルギー疾患医療提供体制の在り方に関する検討会」(斎藤博久座長)は6月28日、各都道府県でアレルギー医療の拠点となる「都道府県拠点病院」を選定することなどを盛り込んだ報告書案を大筋で了承した。
報告書案では、発症早期や軽症のアレルギー患者の診療を担う診療所・一般病院のかかりつけ医に対し、科学的知見に基づく医療を提供する必要性を強調。都道府県が設置する「アレルギー疾患医療連絡協議会」などが企画する研修会に参加し、常に最新の医療情報を持つよう求めている。
都道府県拠点病院は、各都道府県で原則1~2カ所選定。診療所・一般病院では診断が困難な症例や、標準的治療で病態が安定しない重症・難治性の患者の診断・治療・管理を担う。選定要件は、アレルギー疾患に関する豊富な専門的知識と診療経験を持つ医師(内科、小児科、耳鼻咽喉科、眼科、皮膚科)が常勤していることとする。
また、国立成育医療研究センターと国立病院機構相模原病院は「中心拠点病院」となり、都道府県拠点病院に対し情報提供や研修に関する支援を行う。
同省は7月上旬にも拠点病院の要件などを示した通知を発出する方針。それを受け都道府県は拠点病院の選定に入る。