厚生労働省の「医療計画の見直し等に関する検討会」(遠藤久夫座長)は6月30日、在宅医療の体制構築をテーマに議論を行い、2018年度から始まる第7次医療計画で将来の在宅医療の需要に対応するサービスごとの具体的な整備目標を記載する方針を決めた。
現行の第6次医療計画における在宅医療の目標設定では、提供体制のストラクチャーに関する項目が多く、目標設定の根拠についても都道府県でバラつきが大きいことから、実効性を伴う目標設定が課題の1つとされている。
こうした状況を踏まえ厚労省は、都道府県と市町村で「協議の場」を開催した上で、具体的な整備目標を医療計画で設定する必要性を指摘。訪問診療を実施している診療所・病院数に関する具体的な数値目標とその達成に向けた施策の記載を「原則」とする案を提示した。
これに対し同検討会では具体的な数値目標が重要との見方で概ね一致。相澤孝夫構成員(日本病院会)は、「在宅医療の整備量は地域における病院の機能分化の進捗状況に左右される。例えば慢性期病床が少ない地域ではかなり重度の患者まで在宅で対応する必要がある。住む地域によってあり方が大きく変わり、推計が難しい」との考えを示し、慎重な目標設定を求めた。