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耐性菌が生じる要因分析に基づく今後の国内での方策【外来での抗菌薬の適正使用に加え,各分野の専門家が協働するワンヘルス・アプローチが必要】

No.4863 (2017年07月08日発行) P.59

高山義浩 (沖縄県立中部病院感染症内科・地域ケア科医長)

具 芳明 (国立国際医療研究センター病院AMR臨床リファレンスセンター情報・教育支援室長)

登録日: 2017-07-06

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  • 薬剤耐性菌が世界的問題となっています。医師が抗菌薬の適正使用を心がけることは,個別の患者のためには大切なことだと思います。ただ,それによって耐性菌が増え続けている状況を変えることはできるのでしょうか。耐性菌が生じる要因の分析に基づく,今後わが国が国内で取り組むべき方策について,国立国際医療研究センター病院・具 芳明先生にご教示をお願いします。

    【質問者】

    高山義浩 沖縄県立中部病院感染症内科・地域ケア科医長



    【回答】

    薬剤耐性菌は長らく,濃厚な医療を行っている医療機関で発生する問題ととらえられてきました。入院患者に抗菌薬を投与する機会が多いため耐性菌が選択されやすく,しかも易感染性患者が多く院内感染対策の不備が集団発生につながりやすいからです。そのため,薬剤耐性菌対策は病院を中心に行われ,これまで一定の成果を挙げてきました。手指衛生をはじめとする院内感染対策は病院内での水平伝播を防ぐ上で最も重要です。

    一方,たとえばβラクタマーゼ非産生アンピシリン耐性(β-lactamase-negative, ampicillin-resistant:BLNAR)インフルエンザ菌やキノロン耐性大腸菌など,市中で拡大する耐性菌が増加しています。

    外来での抗菌薬使用と耐性菌の増加との相関が知られており1),わが国の医療領域で用いられている抗菌薬使用量の80%以上を占める外来抗菌薬が注目されています2)3)。わが国の外来診療では,本来抗菌薬が不要とされる気道感染症群の60%で抗菌薬が処方されているとの報告もあります4)。これまでわが国ではあまり注目されていなかった外来診療においても,抗菌薬治療が必要ならきちんと使い,必要なければ処方しないという抗菌薬適正使用の推進が薬剤耐性菌制御の一環として重要となります。

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