2018年度介護報酬改定に向け、介護療養病床の転換先として来年4月に創設される介護医療院の転換支援策のあり方を巡る議論が4日、社会保障審議会介護給付費分科会(田中滋分科会長)でスタートした。
転換支援策については、鈴木邦彦委員(日本医師会)が「転換を希望するところについては、自主的に転換を判断できるようにすべき」とした上で、「既存の設備や構造がそのまま使えることが必須」と強調。地域医療介護総合確保基金の活用を可能にするとともに、来年4月からスタートする新たな介護保険事業計画では、転換可能な施設のうち介護療養病床からの転換を優先すべきと提案した。基金の活用については、保険者委員からも「報酬面だけでなく総合的なインセンティブのあり方を検討する必要がある」と賛同する声が上がった。
同日の会合ではこのほか、介護老人保健施設のあり方も議論。東憲太郎委員(全国老人保健施設協会)が同時改定に向けた要望書を公表した。東氏は、老健施設の「在宅支援」機能が介護保険法改正(用語解説)により明示されたことを踏まえ、在宅支援や医療提供、ケアの質向上に対する取り組みなどに関する評価の充実を求めた。医療提供の質では、診療報酬の「薬剤総合評価調整加算」と同様に、減薬した場合の評価を要望した。