(神奈川県 W)
日本にもいわゆる無期懲役の制度はありますが,日本のそれは相対的無期懲役刑制度であり,仮釈放の可能性が残されています。国際的にも,この制度を採る国が多くあります。一方,米国,オランダ,中国等には,仮釈放のない絶対的無期懲役刑制度(つまり,厳密な意味での終身刑)があります。
もっとも,相対的無期懲役刑制度を採る場合であっても,仮釈放の資格が認められる最低の刑期が長くなれば,実際上は,出獄の可能性は低くなっていきます。ただ,相対的無期懲役刑制度を採る以上,この期間には一定の限度があり,25年程度が,各国で実際に定められている上限のようです。日本ではこの期間が10年と比較的短くなっています(刑法28条)が,実際に仮釈放が認められるまでの期間は,近年は,25年程度と以前より長くなっているようです。
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