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【人】勝俣 範之さん「『がんの総合内科医』として患者さんの生活を支えたい」

No.4689 (2014年03月08日発行) P.77

登録日: 2014-03-08

最終更新日: 2017-09-08

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勝俣 範之さん(Noriyuki Katsumata)

日本医大武蔵小杉病院腫瘍内科教授

1963年山梨県生まれ。88年富山医薬大卒。徳州会病院での研修を経て、92年より国立がんセンター中央病院勤務。2004年米ハーバード大留学(公衆衛生学)、10年国立がん研究センター中央病院乳腺科・腫瘍内科外来医長、11年から現職。

『がんの総合内科医』として患者さんの生活を支えたい

約20年務めた国立がん研究センターを退職し、2011年、日本医大武蔵小杉病院に腫瘍内科を立ち上げた。抗がん剤治療から緩和ケアまで、適切な医療を患者と共に考えるトータルコーディネーターの役割を担う専門家集団を目指している。「腫瘍内科医というのは抗がん剤だけ使う、逆に抗がん剤ができなければそれで終わりという冷たいイメージがありますが、そうではない。『がんの総合内科医』と私は呼んでいるんですが、抗がん剤を使う使わないにかかわらず、患者さんの生活の質を重んじ支える内科医のこと。それがまだ医学界でも全く認知されていないんです」

新天地で理想のがん医療を実践しようと腫瘍内科医、看護師、薬剤師、事務員から成る「チームむさこオンコロジー」を結成。最善の医療を提供できる体制づくりを進めている。「最強のチームだと思っています」。例えば週2回開く英語論文抄読会には、看護師や薬剤師も参加。副作用対策など医師にない視点からの話題提供も多いと言う。前職から10年以上患者会のサポートを続け、ブログやTwitterでも積極的に情報発信する勝俣さんの元には遠く大阪や九州からも患者が集まっている。

医師を志すきっかけは『ブラック・ジャック』。「治すだけが医者の使命ではない」という手塚のメッセージに触発されたことが、これまでの活動につながっている。国立がんセンター時代は研究対象とならない難治がんの患者を外に送ってしまうことに忸怩たる想いがあった。 「いくら研究志向でも、患者さんを見放しては何のための医療か」─。最近その答えを見つけ始めていると言う。「最後まで自分が1人で診るのが見放さないことかと考えると、実はそれもエゴなんです。延命が善かと言えば必ずしもそうではない。患者さんにとって何が幸せか前もって話し合い、一緒に考えるのが、我々にできることかなと思うんですよね」

大学に来たもう1つの目的は教育。「腫瘍内科は大変ではありますが、やりがいがある。がんはどんどん増えますし、必要とされていく専門分野なので若い医師に知ってほしい、携わってほしいと思います」

趣味はギターとピアノ。ライブハウスで自作曲を演奏したり、昨年は市民公開講座でバンド演奏も披露した

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