【概要】学会主導から患者目線の専門医制度への転換を目指し、新しい専門医制度を評価・認定する第三者機関が発足する。代表には現機構理事長の池田康夫氏が選出された。
厚労省の「専門医の在り方に関する検討会」は昨年4月、専門医制度を運用する学会が乱立して認定基準が統一されていないなどの現状の課題を踏まえ、新たに専門医の評価・認定を行う第三者機関「日本専門医機構」を創設し、2017年度から新専門医制度を開始することを提言した。この実現に向けて同年8月に組織委員会(委員長=金澤一郎国際医療福祉大学大学院長)が発足し、機構の設立に向けた準備が進められていた。
2月13日に開かれた組織委員会では、機構の概要が決定し、3月中に機構が発足することとなった。設立時の社員は日本医学会、日本医師会、全国医学部長病院長会議の3団体とし、設立後に四病院団体協議会、医療研修推進財団、医学教育振興財団が参加する。
また委員会では「これまで専門医制度の中心的役割を果たしていた学会も社員として意見を述べる機会を持つ必要がある」との意見が出されたものの、個別の学会が社員になることは中立的第三者機関としてふさわしくないとの観点から、外科系専門医連絡協議会、内科系専門医連絡協議会、基本領域専門医連絡協議会など、複数の学会が集まり組織している団体が社員となることも合意された。
●総合診療医のプログラムは今年中に
この日の委員会では別掲の理事・監事も承認されたほか、金澤委員長から代表理事について、「継続性の観点も含めて、日本専門医制評価・認定機構の池田康夫理事長になってもらうのが良い」との意見が寄せられていることが紹介され、承認された。
21日に会見した池田氏は、各専門領域の専門医の養成プログラムを機構が発足して3〜4カ月後に認定する意向を示す一方、「総合診療専門医」については「良いものをつくるためには、まだ議論が必要」と述べ、今年中に完成させる見通しを示した。