医療領域では、治療の検討の際に考慮することが常識となった「エビデンス」。政府は「科学的介護」を提唱し、介護領域でもエビデンスに基づくサービス提供を進める方向性を示している。どのように介護のエビデンスを蓄積すべきか。厚生労働省の検討会が議論を開始した。
厚生労働省の「科学的裏付けに基づく介護に係る検討会」(座長=鳥羽研二国立藤樹医療研究センター理事長)が12日に初会合を開いた。同検討会は、介護サービスの利用者がサービスの類型や提供事業者などを選択する際の指標として活用できるエビデンスの蓄積方法について議論する。
厚労省は、利用されているサービスの内容や利用者の状態をデータベース化して探索的に分析するとの方向性を示しており、同検討会はデータベース構築に向けて収集すべき情報を整理し、来年3月までに中間とりまとめを行う予定。
同日の会合では、厚労省がエビデンスとなるデータが示された複数の介護領域の調査研究を紹介(表)。同省老健局の鈴木健彦老人保健課長は、これらのエビデンスを「来年4月の介護報酬改定で必要に応じて反映させたい」とした。
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