【質問者】
安田 満 岐阜大学医学部附属病院泌尿器科講師
男性の尿道炎は,古典的には淋菌の有無により淋菌性尿道炎と非淋菌性尿道炎に分類されます。非淋菌性尿道炎の患者からC. trachomatisが分離・培養され,核酸増幅法による検出が一般化されました。
C. trachomatisは,非淋菌性尿道炎患者の40~50%から検出され,C. trachomatisが分離されるクラミジア性尿道炎と,淋菌もC.trachomatisも検出されない非クラミジア性非淋菌性尿道炎(non-chlamydial non-gonococcal urethritis:NCNGU)に分類されます。数多くの微生物〔M. genitalium,T.vaginalis,herpes simplex virus(HSV),adenovirus,Ureaplasma urealyticum,Neisseria meningitidis,Haemophilus influenzaeなど〕がNCNGUの原因の候補となっています。しかし,症状のない症例や一般男性からも同じ微生物が検出されることがあり,明らかなエビデンスのある微生物は諸説あるものの,原因微生物はM. genitaliumとT.vaginalisのみと言ってよいのです。もちろん,N.meningitidisのように強い尿道炎症状を呈する微生物は存在しますが,症例が少ないのです。
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