編著: | 影山慎二(かげやま医院院長) |
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判型: | A5判 |
頁数: | 256頁 |
装丁: | 2色部分カラー |
発行日: | 2022年12月09日 |
ISBN: | 978-4-7849-6375-1 |
版数: | 第1版 |
付録: | 電子版付き |
1章 感染症
1 膀胱炎
2 尿道炎
3 前立腺炎
4 泌尿器科医が遭遇する陰嚢・陰茎皮膚疾患
5 精巣上体炎,精巣炎
6 腎盂腎炎
7 尿路結核
8 尿路真菌症
2章 排尿障害
1 前立腺肥大症
2 過活動膀胱(男性)
3 過活動膀胱(女性)
4 夜間多尿
5 腹圧性尿失禁
6 神経因性下部尿路機能障害
3章 性機能障害・男性不妊
1 男性更年期障害
2 勃起不全
3 射精障害
4 男性型脱毛症
5 乏精子症、精子無力症
4章 尿路結石症
1 結石排石促進
2 結石再発予防
3 結石仙痛
5章 内分泌疾患・その他
1 原発性副甲状腺機能亢進症
2 慢性腎臓病
3 副腎腫瘍
4 間質性膀胱炎
6章 泌尿器科悪性腫瘍
1 副腎癌
2 腎癌
3 前立腺癌(ホルモン感受性)
4 前立腺癌(去勢抵抗性)
5 膀胱癌
6 精巣癌
7 陰茎癌
臨床の現場は時間との戦いです。電子カルテの診察待ちの患者数が,刻一刻と増えていく。目の前の患者さんの診断と処方が型通りならスムーズに診察は終了となり,「よし,これで先が見えた!」と診療のペースも上がります。しかし,久しぶりの疾患に出くわしたりすると,「あの薬で良かったっけ?」「薬の1日量は?」「いつも使う薬が使えないときに出す別の薬は何だっけ?」などと疑問がわいてきて,焦ります。
泌尿器科がカバーする疾患範囲も広がりました。私が医学部を卒業した1987年には,女性泌尿器科や過活動膀胱などの疾患の診療はほぼありませんでした。現在では新しい疾患が増え,男性更年期やED,透析に関連した慢性腎臓病の診療も守備範囲となっています。
複数の医師がいる外来なら他の先生に質問や確認ができますが,1人で診察していると,そういうわけにはいきません。電話をして誰かに聞きたくなります。CampbellのUrologyを読めば間違いはないでしょうが,そんな時間はない。手元のタブレットやパソコンで検索することは容易ですが,目ざとい患者さんに「そんなことを調べるなら,先生も俺たちと同じじゃないか!」と軽くみられたくもない…。そんなとき,手元にあると便利な資料となることをめざし制作したのが本書です。
本書は臨床経験の豊富な先生方に分担執筆をして頂きました。各疾患の処方例だけを見ても役に立つように,執筆者の経験に基づいて「開始」,「併用」,「追加」,「変更」という具合に体裁を整えて紹介してもらいました。最近増えている代替医療に関する質問にも答えられるように,各疾患で使用される可能性のあるサプリメントについても,推奨できるものがあれば記載をお願いしています。各項末の文献にもそれぞれ要旨をつけてもらい,目を通せばちょっとだけ文献を読んだ気分にもなれます。本書が,先生方の日常診療に少しでも役立てば幸いです。
2022年10月 影山慎二
2022年9月23日に静岡付近に大きな被害を与えた台風15号で,12時間の大規模停電を経験した静岡市のかげやま医院にて