日本医師会の松本吉郎常任理事は16日、都道府県医師会を対象に行った「小児在宅ケア提供体制に関する調査」の結果を発表した。
調査は日医の「小児在宅ケア検討委員会」が、小児在宅ケアに関する医師会の役割の検討を目的として今年実施。厚生労働省が同日開催した自治体担当者の会議で結果を発表した。
それによると、医師や訪問看護師などを対象とした小児在宅医療研修会について、独自に実施しているのは2医師会、行政から委託されて実施しているのは6医師会にとどまっている一方で、「研修会は実施されているが医師会の関与は全くない」と回答した医師会は20医師会に上った。委託は受けていないが会議に参加しているのが10医師会、研修会は実施されていないとの回答が9医師会だった。松本氏は「研修会は一部で行われているものの、医師会の関与は少ない」として、都道府県医師会と行政との連携を求めた。
体制整備の課題としては「家族のレスパイトを目的として預けられる施設が少ない」「在宅訪問診療に取り組む小児科医療機関または医師の確保が困難」などの回答が多かった。松本氏は「小児科医は在宅診療が苦手な一方、在宅医は小児科の診療が苦手」との課題を挙げ、小児科医と在宅医の連携の必要性を訴えた。同委員会は調査結果を踏まえ、今年度中に答申をまとめる方針。