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免疫チェックポイント阻害薬による肺癌長期生存の可能性:CA209-003試験の結果より【既存抗癌剤治療の5年生存率を大きく上回り長期生存,完治を望める潜在能力を示す】

No.4879 (2017年10月28日発行) P.51

松本成司 (兵庫医科大学呼吸器外科講師)

登録日: 2017-10-29

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わが国では非小細胞肺癌(NSCLC)に対する抗PD-1抗体は,ニボルマブ(オプジーボ®),ペムブロリズマブ(キイトルーダ®)の2剤が適応承認となっている。抗PD-1抗体をはじめとした免疫チェックポイント阻害薬は,腫瘍免疫逃避を解除するまったく新しい作用を持ち,既存の抗癌剤が無効となった患者や多くのがん腫に効果が認められるため,患者,医療現場の期待は高い。

その中で2017年4月,米国にて発表されたオプジーボ®のNSCLCを対象とした第1b相試験CA209-003の結果1)が注目される。複数の治療を経たNSCLC患者において5年生存率は16%であった。これは既存の抗癌剤治療での5年生存率3~5%を大きく上回る成果であった。

抗PD-1抗体においては,腫瘍PD-L1発現レベルが高いほど効果が良好と考えられている。PD-L1発現レベルが1%未満,1%以上,50%以上の患者においては,5年生存率がそれぞれ20%,23%,43%であった。さらに5年生存の患者の3/4は,治療終了後から病状の進行を認めなかった。

試験では,5年生存の患者数は十数名と少ないが,がん治療において長期生存,完治を望める治療薬の潜在能力が示された。

【文献】

1) Brahmer J, et al:AACR Annual Meeting. 2017.

【解説】

松本成司 兵庫医科大学呼吸器外科講師

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